汁物を煮る前に始まっていた味

テンジャンをひとさじ鍋に溶くと、茶色の塊が水に散ります。豆腐や野菜を入れる前から、汁には色と香りがあります。カンジャンを落とす手、コチュジャンをたれに混ぜる手も、短い調理の動作です。しかし、そのひとさじはすでに煮る、乾かす、発酵させる、分ける工程を経ています。ジャンは食後に添えるソースだけでなく、料理を始める材料です。

ジャンの基礎文書では大豆のペースト、しょうゆ、唐辛子のペーストを比べます。ここでは豆が塊になり、塩水に入り、液体と固形物に分かれる道をたどります。一つの器から生まれた材料が異なる料理へ向かい、穀物を使うコチュジャンは別の道をつくります。容器を開ける前の仕事まで含めると、一食の味はもっと具体的になります。

豆を先に塊にする理由

メジュにする大豆は水を吸い、煮ることで砕ける材料に変わります。つくと、ばらばらだった粒がまとまる塊になります。形を整え、乾燥と発酵を経たものがメジュです。生の豆をそのまま塩水に入れることと、準備されたメジュを入れることでは、出発する状態が違います。

塊には表面と内部があります。外側は隠れた中心より先に空気に触れ、乾燥や発酵に伴って水分の状態と香りが変わります。これは持ち運びやすい包装というだけでなく、次の変化を続ける形です。掛けたり置いたりする場所も、次の工程を待つ材料の管理に含まれます。

韓国民族文化大百科事典の「ジャンづくり」は、農業の詩『農家月令歌』の冬に豆を煮てつき、メジュを発酵させ、春にジャンを仕込む流れを紹介します。豆を手に入れた日にすぐ完成品を使う構造ではありません。中間の材料を次の季節の仕事へ渡す時間が、台所の予定に組み込まれていました。

一つの塩水が二つの材料へ向かう

メジュを塩水に入れると、固形物と液体が共に時間を過ごします。豆の成分が液体へ移り、塊も水と塩分を受け取ります。ジャンを分けると、液体はカンジャン、豆の固形物はテンジャンへ向かいます。それぞれを扱い直し熟成させる仕事が続くので、分離だけで全工程が終わるわけではありません。

固形物を持ち上げる道具と液体を受ける器の両方が必要です。持ち上げた塊から落ちる液体を受けることと、残る液体の細かい粒をこすことは別の動作です。固形物は崩して集め、次の容器へ移します。並ぶ器の背後には、同じ食品に二つの名札を付ける以上の材料移動があります。

液体は薄く広がり、汁全体に溶けます。ペーストはすくって溶くほか、野菜に厚く残せます。どちらを使うかで粒、色、匙に残る質感が変わります。「テンジャン」の項目には、カンジャンを先に取り出さず、ペーストを目的に作る方法もあります。茶色い大豆ペーストがすべて同じ分離工程で得られるのではなく、液体と固体の両方を得るのか、固体を中心にするのかが違います。

木のそばに置かれた口の開いたオンギ。2007年4月9日撮影。写真:karendotcom127。
木のそばに置かれた口の開いたオンギ。2007年4月9日撮影。写真:karendotcom127。karendotcom127 · CC BY 2.0 · サイズ調整・WebP形式に変換

婚礼の品と救済の記録に残るジャン

長い歴史があるからといって、一年を発明年にはできません。「ジャンづくり」は『三国史記』の神文王三年、683年の婚礼物品にジャンとシが含まれる記録を紹介します。すでに調達し渡す価値のある物でした。その昔の名称を、現代の店の瓶一本へ正確に対応させる必要はありません。

同項目の高麗時代の例では、1018年のジャンと塩、1052年のシが救済物資と結び付いています。普通の食事が難しい状況で、調達し配る品でした。味の評価だけでなく保存、運搬、届け先が歴史に入ります。容器の中身は、その後に誰の食事になるかとも関わりました。

1450年ごろの『山家要録』に載る複数の作り方と味を直す方法は、作り終えた材料を扱う知識も記録されていたことを示します。混ぜて待つだけでなく、後で状態を確かめる仕事があります。今の家庭や工場が昔の方法をそのまま複製しなくても、材料を準備し結果に立ち戻る連続作業は続きます。

澄んだ汁と豆の粒が残る汁

カンジャンを塩味だけで選ぶと、色の役目を見落とします。少量の色も澄んだ汁には広がって見えます。汁の味を整えることと、煮物の表面を濃く仕上げることは目的が違います。「カンジャン」の歴史説明では、熟成状態に応じて色と用途を区別します。昔の名称と現在のラベルを直接一致させるより、この料理に色と香りがどう加わるかが実際の選択になります。

テンジャンは味だけでなく豆の固形物を持ち込みます。鍋で塊を溶く動作は、すでに作られた材料を汁に合う細かさへ分散させる仕事です。野菜の和え物では水を少なくし、包み葉の脇には厚く残すこともできます。同じペーストが薄め方と混ぜ方で異なる調理材料になります。

野菜を入れる前に少量のたれを混ぜるのは、塊を片側に残さず広げるためでもあります。表面に付けることと、鍋全体に溶かすことでは道具の動かし方が違います。材料名を知ることと並んで、料理の中でどんな状態にしたいかを知ることが調理の知識です。

大豆の粒が見えるテンジャン。2008年2月8日、米国オハイオ州ケントで撮影。写真:Badagnani。
大豆の粒が見えるテンジャン。2008年2月8日、米国オハイオ州ケントで撮影。写真:Badagnani。Badagnani · CC BY 3.0 · サイズ調整・WebP形式に変換

コチュジャンには穀物の道がある

コチュジャンを、テンジャンに唐辛子を足しただけとは説明できません。穀物とでんぷんの変化も重要です。「コチュジャン」の項目が紹介する『閨閤叢書』の方法では、煮た豆と米の餅を一緒につき、メジュを作ります。穀物は最後の彩りではなく、発酵させる材料の段階に入っています。

2020年に農林畜産食品部が公表した国際規格の説明にも、穀物でんぷんの糖化と発酵が含まれます。でんぷんを小さな糖へ変える過程には、麦芽または微生物の働きが関わります。したがって甘味を最後に加える砂糖だけで説明することはできません。一方、製品に糖類を追加する場合もあり、原材料表示はその追加と穀物の変化を区別する手掛かりです。

唐辛子は辛味と色、穀物の変化は甘味と材料の性質、塩は塩味と発酵環境に関わります。ひとさじで辛さだけでなく濃さと甘さも変わります。水で溶いて煮るたれと、食べ物に厚く塗るたれは、同じ材料から違う状態へ進みます。

次の判断が手から手へ伝わる

ジャンづくりの韓国国内の国家無形遺産指定は2018年12月27日です。関連する知識・信仰・実践は2024年にユネスコの代表一覧表へ登録されました。瓶に貼る品質証明ではなく、作る知識と生活の実践を扱う記録です。豆を扱う手、塊を動かす仕事、分離後の材料を次の器へ移す順序も伝わる内容です。

学ぶ人には完成品だけでなく中間の材料に触れる場が必要です。煮た豆と乾いたメジュ、分離前の塩水と分けたカンジャンは異なる状態です。各段階で何を見るかを知れば次の工程がつながります。大きな甕置き場がなくても、買ったテンジャンを溶き、たれの色を見て加減する調理は味を使い続ける仕事です。

次に匙を使う場所がある味

ジャンはほかの材料を覆う強い味にも、特徴を支える味にもなります。少しずつ汁に溶いたり、先にたれを混ぜて野菜に付けたりすると、口に届く状態が変わります。作られた調味料を使うとは、古い名を繰り返すより、この食事でどう広がるかを知ることです。

キムジャンが野菜を次の食卓へつなぐように、ジャンは豆と穀物に先の仕事をして次の料理の材料を作ります。私は国の象徴という一言より、煮た塊と塩水、分ける手と溶く匙のつながりに面白さを感じます。具体的な鍋と材料に出会うと、先の発酵作業が今夜の味になります。

残しておきたいかけら

ひとさじのジャンは煮た豆、メジュ、塩水と分離した材料を今の料理につなぐ。

出典と対象範囲

ジャンづくりの歴史と季節の工程 ↗テンジャン:分離型とペースト中心の製法 ↗コチュジャン:穀物と歴史の製法 ↗カンジャン:熟成と料理の用途 ↗ジャンづくりの知識・信仰・実践 ↗20242020年のコチュジャン国際規格説明 ↗2020-10-14

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